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HOME MEAL MEISTER 03調理と衛生


35-食中毒の現状

食中毒には、細菌性食中毒(細菌による食中毒)、ウイルス性食中毒(ウイルスによる食中毒)、自然毒食中毒、化学性食中毒(化学物質による食中毒)、その他のもの(寄生虫による食中毒など)がある(図1)。食中毒を予防するために、主な食中毒の特徴を理解することが重要である。

図1 食中毒の分類


食中毒による患者数および死者数の年次推移(グラフ1)を見ると、食中毒の患者数は年によるばらつきはあるが横ばいで、少しずつ減少している。一方、死者数は大幅に減少しており、近年では10人前後にまで減少している。
 食中毒の原因については時代によって変遷が見られるが、近年は事件数、患者数ともノロウイルスによるものが増加している(グラフ2)。2001年以降、患者数の第1位はノロウイルスであり、ほぼ毎年ノロウイルスが患者総数の約6割前後を占めている。その他で患者数の多いものは、サルモネラ属菌、カンピロバクター、病原大腸菌、ウエルシュ菌である。
年間の食中毒発生状況を見ると(グラフ3)、患者数はウイルスによるものが非常に多く、続いて細菌によるものとなっている。月別の発生件数は、冬期にウイルスによるものが多く、春から秋にかけては細菌によるものが多い。その他、キノコの収穫時期の秋に自然毒によるものが増える。

グラフ1 食中毒による患者数および死者数の年次推移(厚生労働省食中毒統計より作成)

グラフ2 病因物質別の食中毒の年次推移(上:事件数、下:患者数 ※上位7位)
(厚生労働省食中毒統計より作成)

グラフ3 年間の食中毒発生状況(上:原因別患者数、下:月別時件数)
(出典:厚生労働省HP)