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76-遺伝子組換え表示

(1)遺伝子組換え食品の表示対象

2001年4月より、食品衛生法及びJAS法に基づき、遺伝子組換え農作物とその加工食品に表示が義務付けられ、現在は食品表示法(食品表示基準)で規定されている。

2017年11月現在で表示対象となっているのは、8つの農作物(大豆、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、てんさい、パパイヤ)及びそれを原材料とした33の加工食品群である(表1)。加工食品については、遺伝子組換え農作物が主な原材料である場合のみ表示義務がある。主な原材料とは、全原材料のうち原材料に占める重量の割合が上位3位以内までのもので、かつ原材料に占める重量の割合が5%以上のものをいう。

表1 加工食品の表示対象品目リスト(2017年1月現在)

加工食品 原材料となる農産物
(1)豆腐類及び油揚げ類 (2)凍豆腐、おから及びゆば (3)納豆 (4)豆乳類 (5)みそ (6)大豆煮豆 (7)大豆缶詰及び大豆瓶詰 (8)きな粉 (9)大豆いり豆 (10)(1)から(9)までに掲げるものを主な原材料とするもの (11)大豆(調理用)を主な原材料とするもの (12)大豆粉を主な原材料とするもの (13)大豆たんぱくを主な原材料とするもの
大豆

図

(14)枝豆を主な原材料とするもの
枝豆
(15)大豆もやしを主な原材料とするもの
大豆もやし
(16)コーンスナック菓子 (17)コーンスターチ (18)ポップコーン (19)冷凍とうもろこし (20)とうもろこし缶詰及びとうもろこし瓶詰 (21)コーンフラワーを主な原材料とするもの (22)コーングリッツを主な原材料とするもの(コーンフレークを除く。) (23)とうもろこし(調理用)を主な原材料とするもの (24)(16)から(20)までに掲げるものを主な原材料とするもの
とうもろこし

図

(25)ポテトスナック菓子 (26)乾燥ばれいしょ (27)冷凍ばれいしょ (28)ばれいしょでん粉 (29)(25)から(28)までに掲げるものを主な原材料とするもの (30)ばれいしょ(調理用)を主な原材料とするもの
ばれいしょ

図

(31)アルファルファを主な原材料とするもの
アルファルファ
(32)てん菜(調理用)を主な原材料とするもの
てん菜
(33)パパイヤを主な原材料とするもの
パパイヤ

現在流通している遺伝子組換え農作物は組成や栄養価などについて従来のものと差がないとされており(高オレイン酸大豆などを除く)、生産国ではほとんどの場合、両者を分別せずに流通している。そのため、「遺伝子組換えでない」または「遺伝子組換え」と表示する場合は、「IPハンドリング(分別生産流通管理)」を行う必要がある。

農場から工場までの流通過程の各段階において、両者を分別して管理したことを証明する書類が発行され、全段階の書類が揃って初めて「遺伝子組換えでない」または「遺伝子組換え」の表示ができる。ただし、適切な管理を行ったとしても完全に混入を防ぐことは難しく、日本では5%以下の意図しない混入はやむを得ないものとして認められている。


3.遺伝子組換え食品の表示方法

(1)従来のものと組成や栄養が同じ場合(除草剤耐性大豆、害虫耐性とうもろこしなど)

①農産物およびこれを原材料とする加工食品で、加工後も組換えられたDNA(遺伝子)やこれによって生じたタンパク質が検出可能とされているもの

遺伝子組換え農作物を分別して使用する場合(A)、遺伝子組換え農作物と非遺伝子組換え農作物を分別しないで使用する場合(B)には表示の義務がある。非遺伝子組換え農作物だけを混ざらないように分別して使用する場合(C)には表示義務はなく、表示は「任意」である。

その他、原材料の上位3位以下で、重量割合が5%以下の「意図せざる混入」の場合も、「任意」の表示が認められている。

図

②油や醤油など、組換えられたDNAやこれらによって生じたタンパク質が、最新の検出技術によっても検出が不可能とされている加工食品

図

図1 遺伝子組換え食品の表示例

(2)従来のものと組成や栄養が著しく異なる場合

高オレイン酸大豆やそれを原材料とする大豆油のように、従来のものと組成や栄養価などが著しく異なる遺伝子組換え食品については、表示は義務とされる。

図