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91-容器包装のリサイクル
1.容器包装のリサイクルに関する法律
「容器包装」の定義やリサイクル等について規定する法律として、平成7 年6月に「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律(通称:容器包装リサイクル法)」が制定され、平成18年6月法律の一部が改正されて現在に至っている。
この法律が制定された背景には、容器包装廃棄物が家庭から排出される一般廃棄物の湿重量の約22%、容積で約55%を占めている現状にある。本法律は、国・自治体・事業者・国民等全ての関係者が連携し、容器包装廃棄物の「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」により資源の有効利用を推進することで、環境負荷の少ない「循環型社会」を構築することがこの法律の目的である。
2.容器包装リサイクル法の対象となる「容器包装」
容器包装リサイクル法がリサイクル(再商品化*1)の対象としている容器包装は、家庭から排出されるスチール缶、アルミ缶、ガラスびん(無色・茶色・その他の色)、段ボール、紙パック、紙製容器包装、ペットボトル及びプラスチック製容器包装の8種類であり、これらは市町村が分別収集の対象とする容器包装でもある。8種類のうちアルミ缶、スチール缶、紙パック、段ボールの4品目は、すでに市場経済の中で有価で取引され、円滑なリサイクルが進んでいるので、リサイクル義務の対象とはなっていない。
容器包装の中で、飲料用スチール缶・アルミ缶と食料品・清涼飲料・酒類のペットボトル、プラスチック製容器包装及び紙製容器包装には、消費者がごみを出すときの分別を容易にし、市町村に分別取集を促進するために、図1のような「識別マーク」を付けることが義務付けられている。
この他にも、法的な表示義務はないが、事業者団体による製品の回収ルートがあることを示すマークや、その他のリサイクル関連マークもある(図2)。
3.容器包装リサイクル法における消費者、市町村及び事業者の役割
容器包装リサイクル法の特色は、下記のように消費者、市町村及び事業者の役割分担が明確に定められていることである。
<消費者>市町村が定める分別収集基準に従って、容器包装を分別排出する。
<市町村>排出者が分別排出した容器包装を分別収集し、保管する。
<事業者>製品等に利用した容器包装の量に応じてリサイクルの義務を負う。
容器包装リサイクル法において、「容器」「包装」(商品の容器及び包装自体が有償である場合を含む)を利用して商品を販売する事業者や、容器を製造・輸入する事業者は、「特定事業者」としてリサイクル義務を負う(小規模事業者は適用除外)。また、リサイクル義務のある対象は、「ガラス製容器」「PETボトル」「紙製容器包装」「プラスチック製容器包装」である。
4.再商品化義務の履行の方法
「特定事業者」がリサイクル(再商品化)義務を履行する方法には、「指定法人ルート」「独自ルート」「独自回収ルート」の3 つの方法がある(図3)。
「指定法人ルート」は主務大臣が指定した指定法人(公益財団法人日本容器包装リサイクル協会)に再商品化を委託する方法で、委託料金を支払うことによって再商品化を代行してもらう方法である。「独自ルート」は事業者自らまたは再商品化事業者に委託して再商品化を行う方法で、これを行うには主務大臣の認定を必要とする。「独自回収ルート」はリターナブルびん*1等を自らまたは委託して回収する方法で、主務大臣の認定が必要である。
*1 リターナルびん
繰り返し使用(リユース)できる瓶の総称で、日本では一升びんやビールびん、牛乳びん等がある。一方、繰り返し使用できないびんのことを「ワンウェイびん」という。
<参考HP>
- 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律
- 農林水産省HP
- (公財)日本容器包装リサイクル協会HP
- 経済産業省HP
- 環境省HP