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90-廃棄物と食品廃棄物のリサイクル

廃棄物は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) 」によって、「ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって固形また液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)」とされている。

廃棄物は、次のように発生源から「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に大別されている。

産業廃棄物 事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他法令で定めた20種類の廃棄物をいう。また、廃棄物処理法で「産業廃棄物を排出する事業者は、生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と定められており、排出者に処理責任がある。
一般廃棄物 産業廃棄物以外のもので、家庭から排出される家庭系一般廃棄物と事業所から排出される事業系一般廃棄物がある。産業廃棄物と異なり、一般廃棄物の収集・運搬および処分は市町村に処理責任があり、市町村自らが行うことが原則とされている。

「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、環境への負荷が少ない「循環型社会」を形成することが求められている。わが国における循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる「循環型社会形成推進基本法」が平成12年に制定された。

この法律では、「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」の法制化が定められている。3Rは3つの頭文字Rから名付けられており、リデュース、リユース、リサイクルの順番で取り組むことが求められている。

1.リデュース(Reduce・発生抑制):ごみの発生量を減らす

2.リユース(Reuse・再利用):繰り返し使用する

3.リサイクル(Recycle・再生利用):再び資源として利用する

さらに、3の「リサイクル」は「再生利用(マテリアルリサイクル)」、「熱回収(サーマルリサイクル)」の順に、3Rの後は「適正処分」、というように処理の優先順位を定めている。


食品廃棄物(食品由来の廃棄物)は、家庭及び食品製造業・卸売業・小売業及び外食産業等の食品関連事業者から発生しており、その総量は年間合計2,797万トンで、内訳は図1の通りである。

食品関連事業者は、発生した食品廃棄物を食品リサイクル法によって再生利用等を実施する責務がある。ここでいう「再生利用等」とは、「発生抑制」、飼料化、肥料化、メタン化、油脂・油脂製品化等にリサイクルする「再生利用」、熱回収及び脱水・乾燥等による「減量」のことである。その中で、食品関連事業者全体の食品廃棄物発生総量(1,927万t)に対する再生利用(マテリアルリサイクル)の実施率は78.3%である。

一方、家庭から発生した食品廃棄物は食品リサイクル法の適用外となっており、一般廃棄物として市町村に処理責任がある。一般的には可燃物として回収され、そのほとんどは焼却・埋立されており、肥料化やメタン化等に再生利用(マテリアルリサイクル)されている比率はわずか6.6%に過ぎない。

水分含量の多い食品廃棄物の焼却は大量の化石燃料を消費するばかりでなく、焼却による二酸化炭素が発生して地球温暖化の一因となることから、食品廃棄物の発生を抑制し、リサイクルを促進する必要がある。

図

図1 食品廃棄物とリサイクル(出典:農林水産省HP)

*1 リサイクル(再商品化)

有償又は無償で譲渡できる状態にすること。


<参考HP>