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4-外食、中食、内食
1.食のスタイル 外食・中食・内食
現在、食のスタイルは、調理が家庭の内か外かで、内食(うちしょく)、外食(がいしょく)、中食(なかしょく)と区別をしている。内食とは、食材を購入し家庭などで調理して食するスタイルをいう。また「飲食店で食事の場を提供され食事をするスタイル」を外食、「弁当・惣菜を持ち帰り、自宅や職場等の任意の場所で食事をするスタイル」を中食と呼んでいる*1。
*1 産業側の分類によるもので、例えばスーパーマーケットの店内で食べるテーブルなどが提供されている場合やファーストフード店で持ち帰った場合など、外食と中食の区別は非常に曖昧である。
2.外食
外食産業は、1969年の外国資本の自由化に伴い、アメリカ資本の外食企業が日本に進出したことをきっかけに、高度経済成長とモータリゼーションの波に乗り、急成長した。現在の大手ファーストフード*2やファミリーレストランチェーンは、この時期に創業した企業が多い。家庭の食卓とは違った非日常的な空間で、家族や気のおけない友人と食事を楽しめるのは、外食の楽しみの一つである。
*2 ファーストフード
短時間で調理、または注文してすぐに食べられる手軽な食品や食事のこと。
3.中食
中食は、いわゆる持ち帰りの弁当・惣菜である。食事の時間も手間も省きたいというニーズの高まりを受けて、コンビニエンスストア(CVS)やスーパーマーケットや専門店を中心に成長を続けている。惣菜を販売する場所も、上記の場所以外にも、百貨店の地下や人が集まる駅や空港、高速道路のサービスエリア、ドラッグストアなど、多様化している。
食品産業全体が大きく変化していく中、惣菜市場は、路面店等の専門店をはじめ百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、コンビニエンスストアにおいて、容器包装入り・対面販売・バラ売りセルフ販売などの様々な販売形態が存在し、2014年には市場規模9兆2,600億円を超える産業へと成長した(グラフ1)。その背景には、少子高齢化・女性の社会進出・単身世帯の増加などによる家庭内調理の減少があり、また食事の時間帯や場所を選ばない利便性が、現代社会に受け入れられ定着した。4.食の外部化
食の外部化とは、従来家庭で行っていた調理を家庭外で行う、つまり内食から外食や中食に調理を移行することを意味する。グラフ2に外食率、食の外部化率の推移を示す。食料・飲料の消費支出のうち、赤線は外食と中食への支出の割合、青線は外食への支出の割合を示している。
ここ数年、外食は停滞傾向にあるが、中食の市場は、家族形態の変化や高齢化により。拡大を続けている。2015年国勢調査によれば世帯の平均人員は約2.4人で、今後一人世帯、二人世帯が増えていくであろう。となると、買った方が経済的であるとの考えから弁当・惣菜を選ぶ機会は増える。また高齢化に伴い家庭での調理も難しくなるであろう。このような理由から、中食はまだまだ成長の可能性を秘めている。