惣菜業界初、惣菜盛付工程へのロボット導入、現場実運用に成功
惣菜業界初、量子コンピュータによる惣菜作業者シフト計算の実用化に成功
~One for all, All for oneの理念で、人手不足を解消~
一般社団法人日本惣菜協会(東京都千代田区、会長:平井浩一郎)は、2021年9月に、経済産業省が推進する「令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(※)」に事業の代表として採択され、 15社の協力企業とともに、ロボットフレンドリー(ロボフレ)な環境構築とともに、ロボット・AI・量子コンピュータの実現場への導入を推進してまいりました。
人手不足対応や生産性向上、非接触化を実現すべく多くの産業分野でロボットの導入が期待されていますが、その導入はまだまだ進んでおりません。特に、惣菜製造工場においては、「盛付工程」に最も多くの人手が必要とされており、その工程の自動化は、喫緊の課題でありつつもこれまで長年にわたって実現できておりません。
ロボットを導入するためには、ロボットが稼働しやすい環境、言わば、「ロボットフレンドリー(ロボフレ)な環境」の実現が欠かせませんが、今般、ユーザー7社とベンダー8社がタッグを組んだ研究開発を通して、ロボットが盛り付けしやすいよう現場環境もしっかり考慮し、長年実現できなかった惣菜の盛付工程を自動化するロボットの現場導入に至りました。また、量子コンピュータによる惣菜作業者シフト計算についても実用化に至りました。
※「ロボットフレンドリーな環境の実現」にあたり組成された予算事業
■本事業の背景
経済産業省では、人手不足が深刻化している、施設管理、小売、食品製造の3分野について、ロボットのリーディングユーザーを核に、システムインテグレーター等が集い、ロボフレな環境構築に向けた検討を行う場として、2019年11月に「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」(TF) を立ち上げ、その検討結果を2020年3月に取りまとめました。
食品製造分野においては、特に惣菜・お弁当などの中食の盛付工程は自動化の難易度が高く、現在、その工程の大半を人手で行っており、人手不足への対応、労働生産性向上、工場における三密(密閉・密集・密接)回避のためには、盛付工程を自動化し、無人化・省人化を目指すことが必要との結論に至りました。
柔軟・不定形の食品を、迅速に見栄え良く盛り付けることは、ロボットにとって極めて難易度の高い作業であり、それをロボットで実現することとなれば、高度な技術を活用した高価格なものとなり現場実装が進みません。
そこで、ロボットにとって盛り付けしやすい盛付方法や、掴みやすい包装容器の在り方等、ロボットを導入しやすい環境、言わばロボフレな環境を構築することが必要であると考え、2021年9月、このロボフレを推進する事業に600社強の惣菜関連企業の会員を持つ弊協会が代表として選出され、惣菜盛付ロボットシステムの開発と現場導入、量子コンピュータによる惣菜作業者シフト計算の実用化開発を進めてきました。
■惣菜業界初の惣菜盛付ロボットシステムのロボフレによる現場実導入
ロボフレ環境構築の加速のため、惣菜盛付ロボット開発経験を持つ㈱ア-ルティ(以下、RT)に参画頂き、RTの惣菜盛付協働ロボットFoodlyを、ロボフレ環境を構築し、惣菜企業3社(㈱ヒライ、藤本食品㈱、イチビキ㈱)の現場に導入しました。さらに、生産性を重視した産業用ロボットを使用した盛付ロボットシステムを、Team Cross FAのメンバー企業である㈱FAプロダクツ(以下、FA)、㈱オフィスエフエイ・コム、日本サポートシステム㈱、そして、食品ロボットシステムで実績の高いコネクテッドロボティクス㈱を中心に開発を進め、マックスバリュ東海㈱の惣菜製造工場の製造現場に2022年3月、実導入しました。
また、将来、ロボフレ環境とともに惣菜盛付ロボットシステムを、多くの皆さんにご活用いただくために、①FA等との導入・保守スキームの検討、②リース企業大手とリース・レンタルスキームの検討、③人材派遣会社ウィルオブ・ワークと連携しているRTとともにロボット派遣スキームの検討を進めました。
■惣菜業界初の量子コンピュータによる惣菜作業者シフト計算の実用化
更に、ロボフレの一環として、人とロボットが混在している状況下で惣菜を製造する場合において全体最適化を実現するため、AIによる注文量予測及び量子コンピュータによるシフト計算を行うモデルの開発を、最先端テクノロジー企業の㈱グルーヴノーツと、ユーザー企業として㈱グルメデリカ、㈱デリカスイト、㈱ニッセーデリカ、㈱ヒライ、マックスバリュ東海㈱とともに進め、実用化に至りました。
協会は、これらの成果を、同じ課題を持つ惣菜製造企業の方々に遍くお使い頂けるよう、また、惣菜製造企業が直面する更なる共通の課題に真摯に向き合い、One for all, All for oneの精神で、志に共感頂くパートナー企業とともに、ロボフレによる課題解決実現を推進し、日本が直面する人手不足解消に貢献します。
惣菜盛付ロボットシステム | マックスバリュ東海様 現場導入事例 |
人型協働ロボット「Foodly」現場導入事例 | ||
イチビキ様 | ヒライ様 | 藤本食品様 |
AIによる注文量予測及び量子コンピュータによるシフト計算(イメージ) |
【プロジェクト参画企業(協力企業含)】(50音順)
㈱アールティ
イチビキ㈱
㈱エクサウィザーズ
㈱FAプロダクツ(Team Cross FA)
㈱オフィスエフエイ・コム(Team Cross FA)
㈱グルーヴノーツ
㈱グルメデリカ
コネクテッドロボティクス㈱
㈱デリカスイト
㈱ニッセーデリカ
日本サポートシステム㈱(Team Cross FA)
㈱ヒライ
㈱ファミリーマート
藤本食品㈱
マックスバリュ東海㈱
【各社リリースURL】
経済産業省リリース:https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220329006/20220329006.html
㈱アールティ リリース:https://rt-net.jp/notice/20220329/
イチビキ㈱ リリース:https://www.ichibiki.co.jp/topics/news/20220329_1/
㈱FAプロダクツ リリース:https://fa-products.jp/20220329-2/
㈱オフィスエフエイ・コム リリース:https://www.office-fa.com/2022/03/28/robotfriendly_2022mar/
㈱グルーヴノーツ リリース:https://www.magellanic-clouds.com/blocks/2022/03/29/robot-friendly-2/
コネクテッドロボティクス㈱ リリース:https://connected-robotics.com/2022/03/29/cr/
日本サポートシステム㈱ リリース:https://jss1.jp/news/robotfriendly_souzai_2/
Team Cross FA リリース:https://connected-engineering.com/news/20220329-2